灯火
出逢いは高校入学式当日だった。

と、思う。

春だというのに霧雨の降る肌寒い日。

張り出されたクラス表を確認して教室に入る。

本当はサボろうとしていたその日、運悪く親にバレてしまい渋々行ったはいいがどうしてもイヤな予感がしていた。

右端から三列目の後ろから三番目の席。

なんとも中途半端だ。

退屈な担任の話に眠気を覚え、浅い眠りに落ちようとしていた。

「じゃあ男子は…」

担任の声がだんだんと遠くに聞こえはじめる。

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