雨催い<短>
雨催い
彼には彼女がいる。
一つ年上の可愛い、
浮気性の、先輩。
彼は前向きで頑張りやさんなの。
浮気されたって、『俺の何かが足りなかったんだ』って言って自分がより良くなれるように努力してた。
彼は一途なの。
一度別れた時だって、ずっと好きで、彼氏じゃない立場から彼女を支え続けた。
だから彼女も彼の大切さに気付いてあっという間に元通り。
前向きなとこも頑張りやさんなとこも一途なとこも、言葉だけ並べれば長所ばかりなんだけど、それは私を酷く傷つける。
そんな私の空はいつも雨催い。