雨催い<短>
『あのさ…ミユ、話があるんだけど』
突然部屋にやってきたと思えば、その表情は暗い。
こりゃ先輩絡みだな、って瞬間で分かったけど、なんかいつもと雰囲気が違う。
心なしか私への申し訳なさを感じる。
嫌だ、嫌だ、嫌、嫌。
今から一体何を言われるの?
「あの…私今からお風呂入るから、その、ごめん」
絶対良くないことっていうのがカンで分かる。
ドアから出ようと、彼の横を通り過ぎようとしたら、彼の力強い手によって阻止された。
『頼む、聞いてくれ』
逃げられないんだ。
「分かった…」
そう悟った私は部屋のドアを閉めた。