雨催い<短>
部屋には2人きり。
慣れてる筈なのに2人の間に流れる嫌な緊張感。
『あのさ…』
そんな中、彼が歯切れ悪く喋りだした。
『俺、聞いたんだ、ちゃんと。なんで浮気するの、って。良く考えたら聞いたことなくて…。駄目だよな本当』
私はそんな彼の話を頷くこともなく、只黙って聞いた。
カンはいいから、私。
『それで、あいつ、寂しかったんだって。
なんで、って言ったら……その…』
「私?」
『へ?』
「私がシュウと仲良いのが嫌なんだよね、そらそうだよ。私だって先輩だったらきっと嫉妬しちゃう。邪魔なんでしょう?」
彼が言いたいこと全部分かってしまった。
先輩に『私と仲良くしないで』って言われたんだろう。
で、それをシュウは了承したからこうして私に話をつけにきた。
『ミユ、違うんだっ』
「何が違うのよ!!」
私の中で今までの私が完全に消えた。