雨催い<短>



部屋には2人きり。
慣れてる筈なのに2人の間に流れる嫌な緊張感。




『あのさ…』



そんな中、彼が歯切れ悪く喋りだした。




『俺、聞いたんだ、ちゃんと。なんで浮気するの、って。良く考えたら聞いたことなくて…。駄目だよな本当』



私はそんな彼の話を頷くこともなく、只黙って聞いた。


カンはいいから、私。




『それで、あいつ、寂しかったんだって。

なんで、って言ったら……その…』

















「私?」














『へ?』




「私がシュウと仲良いのが嫌なんだよね、そらそうだよ。私だって先輩だったらきっと嫉妬しちゃう。邪魔なんでしょう?」



彼が言いたいこと全部分かってしまった。


先輩に『私と仲良くしないで』って言われたんだろう。



で、それをシュウは了承したからこうして私に話をつけにきた。






『ミユ、違うんだっ』




「何が違うのよ!!」




私の中で今までの私が完全に消えた。




< 7 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop