雨催い<短>



『……俺は…』




分かってたのに、こんなこと言っても彼の気持ちが私に向くことなんてないくらい。




彼を困らせてしまった。







「もういいよ、ごめんね、帰って」




『待って、ミユ、俺っお前のこと大好きだよ、形は違うけど……』



「帰ってって言ってるの!」



それだけで十分だよ。ありがとシュウ。


お願いだから私をこれ以上醜くしないで。






私はシュウを部屋から追い出して、ドアを閉めた。







暫くして玄関のドアが閉まる音が聞こえた。








「ふっ、うっグスッゔーーっ」



その音を聞いた途端、目にたまっていた涙は頬をつたって、叫ばないのが精一杯。






泣き疲れた夜中、雨がざざぶりの外へふらふらと出た。




< 9 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop