雨催い<短>
『……俺は…』
分かってたのに、こんなこと言っても彼の気持ちが私に向くことなんてないくらい。
彼を困らせてしまった。
「もういいよ、ごめんね、帰って」
『待って、ミユ、俺っお前のこと大好きだよ、形は違うけど……』
「帰ってって言ってるの!」
それだけで十分だよ。ありがとシュウ。
お願いだから私をこれ以上醜くしないで。
私はシュウを部屋から追い出して、ドアを閉めた。
暫くして玄関のドアが閉まる音が聞こえた。
「ふっ、うっグスッゔーーっ」
その音を聞いた途端、目にたまっていた涙は頬をつたって、叫ばないのが精一杯。
泣き疲れた夜中、雨がざざぶりの外へふらふらと出た。