小野姉子のキャンパスライフ
小野くんは猛烈なスタートダッシュを切った。


みるみる他の走者を突き放して行く。



終わってみれば2位の児童に10メートル以上の大差をつけての圧勝だった。


元々、足が速い上にスペル間違いのラバーを味方につけていたのだから、圧勝は必然的だったと言えよう。



「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ
小野くんカッコいぃぃ♪」



「不良っぽい金髪イケメンな上に足も速いなんて、
サイコーじゃん!!」



「みんな応援ありがとう。
俺、スーパーサイヤ人になったぜ。
俺、運動会が終わったら、好きな子に告白するぜ」



「キャアァァァァァ♪♪」



たかが小学校のかけっこで1位になったぐらいで何を勘違いしたのか、すっかりスター気取りの小野くん。



『勝って兜の緒を締めよ』と言うではないか。
小野くん。



実は、勝負はまだ始まったばかりなのだ。



『動ける百貫デブ』
山田くんを侮る事なかれ。
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