中学の彼
「もー紀衣世(きいせ)ってばー」
休み時間も残り3分。
娃も私も教室に戻ろうとしていた。
「じゃまた後でね」
「うん、じゃあね娃」
そう言って、私の背の方にある
教室に帰ろうと、くるっと後ろを
向いた時だった。
「ドンッ!!」
体に鈍い衝撃が走った。
「イッターッ!」
「紀衣世?大丈夫!?」
私の叫び声に気づいたのか、
教室に戻ってたはずの娃が
駆け付けてきた。
「あっわりぃーな、大丈夫か?」
頭の上から降り注いできた
その声の方に顔を向けると