佐々木蔵次郎の悲劇(喜劇?)
「てか、いちいちぽんこつ言うのやめてくれない?」
じゃあ、太郎ね
「普通の名前になったじゃねーか!!
それだったら、普通に名字か名前でよくね?」
「誰と話してるんですか?
あ、わかった。雑誌のモデルでしょ」
「んなわけねーだろ!!それだったら単なる変人だよ!!」
「相変わらず無駄なテンションですね
その無駄のテンションを飢えている人たちにあげなよ。きっとその人らは幸せになるよ」
「うん、まずあげられないから。
それと別に今、ハイテンションってわけでもないから」
「じゃあ、ハイテンションのときはよっぽどウザイんでしょうね」
「俺ってそんなにウザイ?」
「はい。毎朝うちの部屋に押し掛けるし」
「おまえが来いって言うから来てるんだろ。ストーカーみたいに言うなよ!!」
「…そんなに怒らなくても」
弟子は寂しげな声を発し、うつむいた
「寂しげな声ってどんな声だよ
じゃなくって、別に怒ってねーよ」
「本当に?」
「ああ。本当だよ」
「嬉しい」
そう言って、ぽんこ…じゃなくって、太郎に抱きつこうとした。
太郎も受け止めるように、腕を広げた