泡沫-an empty dream-

「なかなか素敵な考えじゃないか。」

彼は返事をしたものの、相変わらず眠たそうで、今も大きなあくびをした。




「―――たい―――――――」




「んあ?」

彼は、私の声が聞き取れなかったようだ。




「入道雲の中の世界に、逃げたいって思ってたの。」




「逃、げ…?」

ここらで彼はようやく目が覚めてきたようだった。

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