アクアマリンの秘密
静まり返った部屋。
そんな中で口を開いたのは…



「なぁ…どういうことだよ紫紀。」

「…何がだ?」

「何がじゃねぇ。
白斗が燈龍を殺したってどういうことだって聞いてるんだ。
お前…知ってんだろ?」

「…こういう類の話は…白斗から聞くのが筋だ。」

「んなもん分かってんだよ。
でもあいつ今…どこにいるか分かんねぇし…
大体…なんであいつが俺たちをここに連れてきたのかも分かんねぇっつの。
あんなババアに会わなければこんなことに…」

「椿様にお目通りせずにこの国を徘徊するというのは…この上なく椿様の怒りを招く。」

「え…?」

「白斗も言っていただろう。
今、この国で生きている者は力のある者で、ごく限られた少数だ。
だから不法侵入者はすぐに発見される。
その前に…椿様に俺たち5人の入国を許可してもらうべく白斗はここに俺たちを連れてきたんだ。
自分の身を切り捨ててな。
ある意味無責任だとも言えるが…。」

「あのっ…白斗さんは今…。」

「おそらく最奥の水牢だろう。
食事も与えられず、監視が厳しいことで有名だ。
特に椿様は白斗を憎んでるからな。燈龍の件で。」

「だから…それを話せって言ってんだよ。」



< 119 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop