アクアマリンの秘密
緑志と呼ばれるその人が『シップ』に乗り込んできた。


「随分早かったね。…この国の人たちはみんな大丈夫?」

「一応…スリープとタイムをかけておいたけれど、その効力自体がいつまで続くかはオレにもちょっと…。」

「白斗と紫紀の力だし、大丈夫だと思う。
とにかくこの国を出よう。蒼刃はもっと先だ。」

「うんっ!」


少し行った先で蒼刃さんが二人を相手に戦っている。
さすがに二対一だったから、顔にも疲労の顔が見える。


「たっ…助けにいかなきゃ!」

「星来はここにいて。僕が行くから。」


緑志さんに押し戻されたあたしは、そのままペタンと座り込む。
小さな窓から見える蒼刃さんの様子が、妙にあたしをハラハラさせる。


「蒼刃!早く乗って!」

「おせーよ緑志!」

「ごめん。とにかく早く!」

「あれ?パシフィックブレードの皇子様が逃げるのかい?」


〝ジャニア〟がまたしても不敵な笑みを浮かべながら、挑発するようにそう言った。


「なんだ?俺に殺してほしいのか?」

「知ってるだろう?俺たちは『死ねない』。」

「ああ、知ってる。お前たちは死ぬんじゃなかったな。消滅だ。」

「おーお、ご名答。
さて、パシフィックブレードの生き残った皇子様の登場だ。
マイサ、そろそろ俺たちも本気を出そうか?」

「そうこなくっちゃぁ~♪
さっきからジャニアが本気出すなって言うからつまらなかったのよぉ~…。
じゃあここからは手加減ナシってことでいくわよぅ…。」


マイサの手が光り始めた時だった。

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