アクアマリンの秘密
「それで…?」

「エバーラスティングウイングの件では国民は皆殺しという結果になったが…
今回の襲撃では皆殺しをするという雰囲気ではなかった。
だが…奴らは極端に強い力を拒む。特に強い意志を持つ人間は尚更だ。
燈龍はそのどちらにも当てはまる男だった。
だから…イアルたちのターゲットになる。」

「待て…今までの話の流れからすると白斗は全く関係ねぇだろ?」

「…話はここからだ。
当時、俺と白斗は治療に専念するチームに配属されていた。
だからイアルたちの襲撃によって傷を負った人間を治療していたんだ。
そこに…イアルの魔法の『流れ弾』が飛んできた。白斗めがけて。
どういう状況かは…分かるだろう?」

「……。」

「燈龍は叫んだ。
間一髪で白斗は避けたが…その一瞬の気の緩みをイアルが見逃すはずがない。
そこで…全てが終わった。」

「だからって白斗さんが責任を感じることは…。」

「ああ。何が悪かと尋ねられれば答えは簡単だ。イアルに決まっている。
だがそうはいかない。人の心というものはそういうものだろう。
『ヒール』は治癒の力だということは知っていると思うが…
『ヒール』の使い手が持つ究極の力は知らないだろう?」

「究極の力…?」

「ヒールの使い手は…自分の命と引き換えに…死んだ人間を蘇らせることが出来るのだ。」

「え…?」

「んなこと…出来んのか…?」

「体がなくては出来ないがな。
もちろんヒールの使い手の誰にでも出来るわけではない。
高い魔力が必要だし、精神力も必要だ。
当時の白斗なら…ギリギリだが可能だっただろう。」

「でもその魔法を使ったら白斗さんは…。」



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