アクアマリンの秘密
白斗さんの透き通った声が大広間に響く。
そしてゆっくりと頷く椿様。


「白斗は自由だ。
燈龍の言葉…ゆめゆめ忘れるでないぞ。」

「はい。もちろんです。」

「そして星来。」

「はっ…はいっ!!」

「見苦しいところを見せたな。」

「いえっ…そんな…。」


あたしが口ごもると、椿様は涙を拭ってあたしを見つめる。


「だが…そなたのおかげで…私も進める。
そなたには『ハート』の力だけではなく、その力を支えるだけの強さもあるのだな。」

「強さ…ですか…?」

「自分では分からぬか。
それもまぁ良い。
これからが楽しみだな…。」

「…はい…?」

「それと…白斗、共鳴石のことだが…。」

「はい。」

「そなたたちが持っていた方が良いのではないか?
お前のそばに置いておく必要があるだろう。その方が力が増幅する。」

「でも…いいんですか…?共鳴石はこの国の人々と共鳴して…。」

「イアルを倒せなくてはここも滅びる。
奴らを滅ぼすのは…そなたたちの役目だ。違うか?」

「…あたしたちの…役目です。」

「では、持っていきなさい。」

「…お預かりいたします。」



< 164 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop