アクアマリンの秘密
* * *


「ふわぁ~…なんだかボク、疲れちゃったなぁ…。
隣の部屋で寝ててもいい?」

「うん。出発は明後日にしようと思ってるし。
今日はゆっくり休んで…。」

「白斗も休んでねぇ…怪我してるし。」

「オレはもう大丈夫だよ。」

「…僕も少し休もうかな。」

「うん。そうしなよ。奥の部屋に人数分のベッドが用意されてるし。」

「少し休ませてもらうね。」

「うん。緑志もお疲れ様。」

「…白斗さんっ!!」

「ん?」

「あのっ…何て言ったらいいのか分からないですけど…。
でも…椿様とちゃんとお話出来て…良かった…ですね。
あっ…でも良かったっていうのは安易すぎます…か…ね…?」


『良かった』だけじゃ済まされないことだってことも分かってるけど…。
でも…それ以外に良い言葉が見つからない。


「うん。ありがとう。本当に良かったよ。ちゃんと話せて…。
星来のおかげだよ。牢に迎えに来てくれた時も、椿様に話してくれた時も…
星来がいてくれたからオレは前に進めた。
ありがとう、星来。」


いつもより優しく微笑んで、白斗さんはそう言った。
その笑顔につられて、あたしも笑顔になる。



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