アクアマリンの秘密
「ジャニア。」

冷たい声が俺を呼んだ。

振り返ると予想通り、雪のような白さを纏う、俺とは別のビシアスが立っていた。


「おお、なんだよフェイ。」

「任務放棄か？」

「任務放棄？心外だな。
俺は任務放棄なんてしてねぇよ。
イアルも、星来を必ず連れて来いとは言わなかったしな。」

「お前からは氷泡星来をここに連れてくるという意志が感じられない。」

「そいつも心外だな。
俺はいつも忠実に任務をこなしてるぜ？
今回は相手の方が一枚上手だっただけだ。」

「お前…あいつらを試しただろう？」

「試した？」

「そもそもお前は氷泡星来をここに連れてくる気など微塵もなかった。
違うか？」

「どうしてそう思ったんだ？」

「戦っているときの目が本気ではなかった。
…だから腕を斬り落とされそうになるんだ。」

「フェイ、お前…見てたのか？」

「水晶からな。」

「加勢してくれれば助かったのになぁ…。」

「話を逸らすな。そして質問に答えろ。」


フェイの厳しい眼差しから逃れることは相当困難なことに思えた。
俺は仕方なく観念する。


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