アクアマリンの秘密
「蒼刃の苦しそうな顔見る方が…あたしは嫌。
傷を治したいって思ったのもあたしだし、白斗さんを見つけたいって思ったのもあたし。
あたしの魔力を…何に使うかはあたしが決めるもん!!
だから…そんな風に思わないでよ。」


蒼刃のせいで倒れたなんて、あたしはこれっぽっちも思ってない。
倒れたのは…自分の力の限界も知らずに力を使い続けたあたしが未熟だったから。


「蒼刃のせいじゃないよ…。
それに蒼刃は弱くない。弱くなんかないよ。
あたしが…ああいう場所にいても怖くないのは…蒼刃がちゃんと守ってくれるって信じてるからだもん。」


絶対蒼刃なら…敵を倒してあたしを守ってくれるって信じてるから…。
だからあたしは安心して飛び出して行けるの。


「…っ…そーかよ。」

「だっ…だからね…、いつもあたしを守ってくれるお礼に、あたしが蒼刃の傷を治したいの。」

「…わーったよ。緊急事態になったらお前に頼む。」

「緊急事態になる前に頼んでよ!!
痛いのとか辛いのとか…我慢しないで。」



あたしは蒼刃の左腕をぎゅっと掴んだ。


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