アクアマリンの秘密
「紫紀はきっと泉の近くにいるよ。
それに紫紀なら大丈夫。自分の身は自分で守れるし。
だから…そんな顔しないで、星来。」

「え?」

「眉間にしわ、寄ってるよ?
紫紀のことが心配なんだね。
でも、大丈夫だから…きっと。」

「そ…う…ですよね。紫紀さんですから…。」


そうは言うものの…やっぱり心配。
ディープオーシャンで見たあの顔がどうにも気にかかる。

フェイを見る顔は…明らかにいつもの紫紀さんじゃなかった。
普段の紫紀さんは…あんな顔しない。
あんなに切なそうな顔は…。


「おめーはよ…いちいち心配しすぎなんだっつの。」

「へ?」


後ろからぼかっと頭を叩かれた。
叩いた人は振り返らなくても分かる…。


「痛いよっ、蒼刃!!」

「紫紀の心配ばっかしてねぇで、てめーの心配しろよな。」

「え?」

「俺の勘が当たってれば…ビシアスはもういるぞ。」

「えぇ!?」

「それにはオレも同意だな。確実にいるよ。
フェイ…の気配だ。」

「あの…白斗さん…。」

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