アクアマリンの秘密
「大切な人、だからだろ?
すげー魔力を持って、かつてはこの国を救った英雄が、今はその手でまた国を滅ぼそうとしてる。しかも本人の意志とは無関係に。
これ以上辛いことなんかあるか?」

「…。じゃあ…。」

「?」

「じゃあ蒼刃は…蒼刃の…『好きな人』がもし…ビシアスになっちゃったら…斬るの?」

「え?」


目を丸くして、あたしを見つめる蒼刃。
こんな質問されるなんて思ってなかったんだろうな…。


「どうなの?」


あたしは質問の答えを求めた。
蒼刃はまたあたしの目を強く奪う。
そして口を開いた。


「…斬る。
この手で…終わりにする。
んで…。」

「え?まだ続きがあるの?」

「ああ。
斬って、そいつが消滅したら…。」


あたしから目線を外し、空を眺める蒼刃。
あたしは蒼刃の横顔をじっと見つめた。


「俺も終わりにする。」


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