アクアマリンの秘密
* * *


それからは…自然と紫紀といる時間が増えた。
ディープオーシャンとの共同組織、インプレグナブルに私と紫紀が配属されたっていうのもあったけど…それ以上に…。

泣き顔を見られたからなのか、私は…紫紀の前ではありのままの自分でいられた。
『有坂華央』でいなくても…紫紀はそのままの私を受け止めてくれた。

だから…なのだろうか?
私の心が急激に変化していた。

あんなに嫌いだったはずの紫紀。
それなのに今は…一番安心する存在になっていた。




「紫紀は…いいわね。」

「…何が?」

「私の欲しいものを全て持っていて…。」

「欲しいものって何だ?」

「…一つは友達。」

「友達?そんなもの、俺にだっていない。」

「白斗がいるじゃない。」

「白斗?ああ…やつは別に友達などではない。」

「でもよく話してるし、紫紀、楽しそうよ?」

「そんなことはない。
白斗となら、華央だって話すだろう?」

「そうだけど…。
私に近付いてくる女の子なんていないわ。
みんな、私の魔力が怖いのよ。」



私には同性で同世代くらいの友達なんて一人もいなかった。
それは、紫紀と一緒にいるようになっても変わっていない。



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