アクアマリンの秘密
「守りたい人間?」

「ああ。」

「誰か…聞いてもいいの?」

「…お前だよ。」

「え?」

「華央…お前だ。」

「なっ…。」


それ以上、言葉が続かなかった。
苦手だったはずの真っすぐな目が私を捉えて離さない。


「もし、白斗とお前が同時に窮地に追い詰められていたとしたら…。
白斗には悪いが、俺は華央を選ばせてもらう。」

「わっ…私は平気よ。私の魔力を越える者なんて誰も…。」

「確かに。力じゃ…今のお前には及ばない。
それでも…俺はこの手でお前を守りたい。

…華央はとても…弱いから。」

「なっ…私は弱くなんかないわ!!
弱いわけないじゃない!!弱かったら…インプレグナブルに配属されたりしないわ。
唯一の女なのよ?インプレグナブルの中じゃ…。」

「力のことを言っているわけじゃない。
お前の心のことを言っている。」

「私の…心…?」

「ああ。」


その眼差しはやっぱり真っすぐだった。


< 247 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop