アクアマリンの秘密
簡単に言わないで。
そんなこと…出来るわけないわ。

だめ…だめなの。
私は…弱くなっちゃいけない。
前だけ見て、最前線で戦わなくちゃならない。




『エバーラスティングウイングがとある侵略者の手で滅ぼされた。』




時は来る。必ず。
この国にその魔の手が及ぶ時が…いつか必ず。

その時は私が…この命が尽きても…戦わなくては…。

ずっとそう思ってた。

だから弱くなるのはだめ。心も魔力も。
弱みを見せることは許されなかった。
自分以外の誰にも。

だから…弱くなってしまうようなことを言わないで。
私の心を…見透かさないで。










「華央。」


そう呼ばれて、私は顔を上げた。



「俺は…何よりもお前が大切だ。」



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