アクアマリンの秘密
「え?」


一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。

私が何よりも大切…?
それってどういう…。

頭の中が混乱している私の右手をそっと掴む紫紀。
そしてそのままぐっと引っ張られる。


「…この国の人間には申し訳ないが…
俺には何よりも華央が大切だ。
俺の前では…強がらなくていい。
ありのままの…『華央』でいればそれでいい。」

「だめ…なのよ…それじゃ…。」

「どうして?」

「…弱くなってしまうから…。」


そう呟いて、私は紫紀の背中にぎゅっと腕を回した。
それに気付いて、紫紀はさらに私を強く抱きしめる。


「弱くなっていい。
俺がお前も…国も守る。
だから…華央はいい。それ以上苦しまなくて。何も背負わなくていい。

今まで…ずっと一人で…怖かっただろう?
もう…大丈夫だ。
お前が俺を嫌いでも、構わない。だが…












俺は華央のことが好きだ。」




< 250 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop