アクアマリンの秘密
* * *


幸せがずっと降り注いでいた。
そしてこの幸せがずっと続くものだと信じていたし、続いてほしいと願ってもいた。


エバーラスティングウイングが滅びてからいつの間にか2年が経っていた。
そして私も紫紀も20歳を迎えていた。







「華央。」

「なに?」

「左手を出せ。」

「左手?なんで…?」

「いいから。」

「…?」

「一生お前を守るという俺の誓いだ。」


そう言って、紫紀はすっと私の左手の薬指に指輪をはめる。
紫紀らしいシンプルなデザインで、思わず笑ってしまう。



「なにがおかしい?」

「おかしいっていうか…紫紀らしいなって。
…ありがとう。紫紀。」


そう。本当に幸せだった。
今思えば…満ち足りた日々が当たり前のようにそこにあった。

紫紀に愛され、それと同じように紫紀を愛していた。



でも…滅びの日は近付いてた。

私は自分の魔力でそれを知ることになる。


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