アクアマリンの秘密
* * *


私は泉へと向かった。



「紫紀っ…!!」

「華央…どうしたんだ、そんなに息を切らして…。」

「わ…私…夢を見たの…っ…。」

「夢?」

「予知夢かどうかは分からないけど…この国が襲われる夢よ。」

「襲われる…?」

「私の魔力じゃ…いつなのか分からなかった。
でも…みんなが私を守って死ぬ姿ははっきりと見えた。
紫紀…あなたもよ。」

「俺が…死ぬ…?
華央…お前は大丈夫なのか?」

「分からない…でも…私よりも先にあなたが死んでしまうところを見たのよ。だから私は…。」

「お前を守り切れなかったってことか…俺は。」

「そ…そんなことはどうでもいいわ!!
私が死のうが生きようがそんなことはどうでも…!!
そんなことよりあなたが死んでしまう未来を変えなきゃ…。」

「どうでもよくない。」

「え?」

「お前のことが何よりも大切だ。
それは前にも言っただろう?」


いつになく真剣な紫紀の声が耳に届く。



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