アクアマリンの秘密
「紫紀…。」
「出来ない。
俺は…この国の人間の全ての命と華央の命を天秤にかけたら…華央を選ぶ。絶対に。
非国民だと思われてもいい。この国の人間全てに蔑まれても構わない。
周りの人間にどう思われようと…俺は華央を諦められない。
お前のためなら命なんて捨てる。俺の命を犠牲にしてお前が助かるなら…何の躊躇いもない。」
「…紫紀…。それはだめ。お願い。」
「華央の願いでも、これだけは聞き入れられない。」
「紫紀…。」
紫紀の気持ちは痛いほど分かる。
だって私と全く同じなのだから。
私があなたに死んでほしくないと思うのと同じ分だけ、あなたも私に死んでほしくないと思ってる。
私だって…あなたのためなら命なんてもの、簡単に捨てるわ。
この命と引き換えにあなたを救えるなら…何の躊躇いもなく。
でも…紫紀と私の魔力を比べたら、やっぱり私の方が強い。
それなのに紫紀が私を守ろうと動くってことは、どう考えてもハイリスク。
相手の顔までは見えなかったけれど、あの殺気だけは見えた。
あの人は…きっと人を殺すことなんて何とも思わない、もう人ではないヒト。
そんな人に真向勝負を挑んでいったら…どんな風に殺されるかも分からない。
私は紫紀の腕の中でぎゅっと目を瞑った。
こうして抱き合うことが…いつもなら嬉しくて…心の中が満たされるはずなのに…なんだか切なくて、どこか胸騒ぎがした。
今思えば…私は心のどこかで覚悟していて、分かっていたのかもしれない。
これが…『最期』になるだろうってこと。
だから私はいつもより強く、紫紀を抱きしめ返した。
紫紀の香りをずっとこの身に残したくて…。
「出来ない。
俺は…この国の人間の全ての命と華央の命を天秤にかけたら…華央を選ぶ。絶対に。
非国民だと思われてもいい。この国の人間全てに蔑まれても構わない。
周りの人間にどう思われようと…俺は華央を諦められない。
お前のためなら命なんて捨てる。俺の命を犠牲にしてお前が助かるなら…何の躊躇いもない。」
「…紫紀…。それはだめ。お願い。」
「華央の願いでも、これだけは聞き入れられない。」
「紫紀…。」
紫紀の気持ちは痛いほど分かる。
だって私と全く同じなのだから。
私があなたに死んでほしくないと思うのと同じ分だけ、あなたも私に死んでほしくないと思ってる。
私だって…あなたのためなら命なんてもの、簡単に捨てるわ。
この命と引き換えにあなたを救えるなら…何の躊躇いもなく。
でも…紫紀と私の魔力を比べたら、やっぱり私の方が強い。
それなのに紫紀が私を守ろうと動くってことは、どう考えてもハイリスク。
相手の顔までは見えなかったけれど、あの殺気だけは見えた。
あの人は…きっと人を殺すことなんて何とも思わない、もう人ではないヒト。
そんな人に真向勝負を挑んでいったら…どんな風に殺されるかも分からない。
私は紫紀の腕の中でぎゅっと目を瞑った。
こうして抱き合うことが…いつもなら嬉しくて…心の中が満たされるはずなのに…なんだか切なくて、どこか胸騒ぎがした。
今思えば…私は心のどこかで覚悟していて、分かっていたのかもしれない。
これが…『最期』になるだろうってこと。
だから私はいつもより強く、紫紀を抱きしめ返した。
紫紀の香りをずっとこの身に残したくて…。