アクアマリンの秘密
* * *


時は来た。
来ないで欲しいと願ったはずなのに、無情にも早く。




「インプレグナブル、出動だ。」

「はっ!!」




出動命令が出て、もちろん私は最前線へ向かう。
私の隣には紫紀がいる。


「華央。」

「なに?」

「…約束してくれ。」

「何を?」

「…死なない、と。」

「紫紀も私に約束して、同じことを。」

「…約束する。
この戦いが終わったら…。」

「?」


紫紀は私の左手の薬指に優しく触れる。
一瞬、指輪がキラリと光る。


「…静かなところで…暮らそう。二人で。
もう戦いはうんざりだ。お前もだろう?」

「ええ。そうね…。」


私と紫紀の会話は無理矢理そこで中断された。

爆風が、全てを吹き飛ばしてしまった。

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