アクアマリンの秘密
「テレポート。」
私はそっと呪文を呟いた。
そしてバリアは眩い光に包まれる。
後方から移動が始まっていた。
全員が移動し終えるまでは時を止めたままにしなくてはならない。
私の魔力が少なくて、瞬間移動の魔法のはずなのに、全員が瞬間移動出来ていない。順番になってしまった。
「紫紀、手を離して。」
「嫌だ、と言っている。」
「私は…あなたと出会えて良かった。
命を捧げてもいいと思えるほどの存在が自分に出来るだなんて思ってなかったから…。
だから…ありがとう。」
笑ったつもりだったのに、涙が両目から零れ落ちる。
涙で滲んだ視界でも、紫紀の体が消えかかっているのだけは分かった。
そろそろ時間が動き出す。それと同時に紫紀はディープオーシャンへと向かうはずだ。
…私の命も限界が近付いている。
全魔力を放出した私は、もう何の力もない。
後ろを振り返れば、私を狙った男がいる。
ふっと時間が動き出した。
私の視界からは紫紀が消えてしまうはずだった。
私はそっと呪文を呟いた。
そしてバリアは眩い光に包まれる。
後方から移動が始まっていた。
全員が移動し終えるまでは時を止めたままにしなくてはならない。
私の魔力が少なくて、瞬間移動の魔法のはずなのに、全員が瞬間移動出来ていない。順番になってしまった。
「紫紀、手を離して。」
「嫌だ、と言っている。」
「私は…あなたと出会えて良かった。
命を捧げてもいいと思えるほどの存在が自分に出来るだなんて思ってなかったから…。
だから…ありがとう。」
笑ったつもりだったのに、涙が両目から零れ落ちる。
涙で滲んだ視界でも、紫紀の体が消えかかっているのだけは分かった。
そろそろ時間が動き出す。それと同時に紫紀はディープオーシャンへと向かうはずだ。
…私の命も限界が近付いている。
全魔力を放出した私は、もう何の力もない。
後ろを振り返れば、私を狙った男がいる。
ふっと時間が動き出した。
私の視界からは紫紀が消えてしまうはずだった。