アクアマリンの秘密
哀しみの舞雪
* * *
気がつくと、あたしは地面の上に立っていた。
目の前には華央さんがいる。
フェイではなく…華央さんが。
「本当に…華央なのか…?」
「ええ。私よ、紫紀。
今は星来の力で『フェイ』が私の中に抑えられている。」
「あたしの…力…?」
「自分で魔力を使ったのに自覚がないのね?まだ…。」
「えっと…成功したってことですか?」
「…成功したのはその魔法だけではないけれど。確かにそうね。
だから私は…今こうして『私』でいられるの。
あなたは…私なんかとは比べ物にならないほどの魔力を内に秘めているのね。」
「そっ…そんなことっ…。」
「それに…あなたは見かけによらず勇気があるのね。
フェイである私を抱きしめるなんて、もし私がフェイじゃなかったらあなたは死んでいたかもしれないわ。よくこんな危険なこと…。」
「華央さんだと…分かってましたから。」
「え?」
「っていうのは言いすぎですけど…。
でも華央さんだと思っていました。」
「…どうして?」
「あんなに紫紀さんが戦いにくそうにしているのを…初めて見ましたから。」
「え?」
「…ただ同じ顔をしているだけだったら…きっと紫紀さんは躊躇したりしません。
紫紀さんは…あなたをどこかで感じていたんだと思います。フェイの中のあなたを感じていた、あたしにはそんな風に見えました。
だから賭けてみようって思ったんです。フェイが華央さんである可能性に。
でも…今でも不思議です。
あたし、賭けだとは思っていたけど全然負ける気がしなかった…。
…結果はもちろんあたしの勝ちですしね。」
「…そうね。」
そう言って華央さんは優しく微笑んだ。
その瞬間…ぐらっと私の視界が歪む。
気がつくと、あたしは地面の上に立っていた。
目の前には華央さんがいる。
フェイではなく…華央さんが。
「本当に…華央なのか…?」
「ええ。私よ、紫紀。
今は星来の力で『フェイ』が私の中に抑えられている。」
「あたしの…力…?」
「自分で魔力を使ったのに自覚がないのね?まだ…。」
「えっと…成功したってことですか?」
「…成功したのはその魔法だけではないけれど。確かにそうね。
だから私は…今こうして『私』でいられるの。
あなたは…私なんかとは比べ物にならないほどの魔力を内に秘めているのね。」
「そっ…そんなことっ…。」
「それに…あなたは見かけによらず勇気があるのね。
フェイである私を抱きしめるなんて、もし私がフェイじゃなかったらあなたは死んでいたかもしれないわ。よくこんな危険なこと…。」
「華央さんだと…分かってましたから。」
「え?」
「っていうのは言いすぎですけど…。
でも華央さんだと思っていました。」
「…どうして?」
「あんなに紫紀さんが戦いにくそうにしているのを…初めて見ましたから。」
「え?」
「…ただ同じ顔をしているだけだったら…きっと紫紀さんは躊躇したりしません。
紫紀さんは…あなたをどこかで感じていたんだと思います。フェイの中のあなたを感じていた、あたしにはそんな風に見えました。
だから賭けてみようって思ったんです。フェイが華央さんである可能性に。
でも…今でも不思議です。
あたし、賭けだとは思っていたけど全然負ける気がしなかった…。
…結果はもちろんあたしの勝ちですしね。」
「…そうね。」
そう言って華央さんは優しく微笑んだ。
その瞬間…ぐらっと私の視界が歪む。