アクアマリンの秘密
「白斗。」

「華央…。」

「…紫紀のことをお願いするわ。
もうあなたしかいないもの。」

「…そうだね。
でも華央の代わりには一生なれそうもないけど。」

「…そんなことないわ。
私の時間は止まった。もう進めない。
大役を任せちゃってごめんね…白斗。」

「華央の我儘なんて珍しいから、なんでも聞くよ。」

「ありがとう。」

「華央…さん…。」

「あなたにも…ありがとうと言っておかなくてはならないわね、星来。
もっと早くに出会っていれば…良い友達になれたかもしれないわ。
女の子の友達って憧れていたの。あなたなら…私の魔力の大きさなんかには臆せずに、何でも話せる親友になってくれたような気がする…。
私…もっとあなたと話してみたかった。」

「華央さん…っ…。」

華央さんの手が、あたしの頬にそっと触れる。

「…泣かないで、星来。
あなたの…心の温かさに触れることが出来て…嬉しかった。
それに…最期に…こうして…『私』として…みんなと話せて…良かった。」




「…華央。」

紫紀さんがそう呟いたのと同時に、辺りは眩い光に包まれた。


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