アクアマリンの秘密
【紫紀side】


「時間を止めたのね。」


先に口を開いたのは華央だった。


「ああ。」

「でも…そんなに長くはもたないでしょう?」

「いや…5分くらいならもちそうだ。
共鳴石が近くにあるおかげかもしれない。」

「…そう…。でも…それでも…時間がないわ。
星来の魔力を使い果たしてしまうことが危険だってことは分かっているでしょう?」

「…分かっている。」

「だったら…あなたが止めたこの時間の中で…終わらせなければ。
私には…もう何も心残りはないわ。」

「俺には…出来ない。」

「…勝手なこと言ってるって…ちゃんと分かってるの。
でも…あなたにしか頼めない。頼みたくない。
…ねぇ紫紀…。顔を上げて?私の顔を見て?」



俺はゆっくりと顔を上げた。



「…もういいの。私の命は終わったわ。あの時に。
無理矢理私の時間を止められて、私ではないモノになって…私の意志とは関係なく動かされることにはもううんざりよ。
…有坂華央をあなたの手で終わらせて。」

「…だったら…。」





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