アクアマリンの秘密
「守れなくてごめん…。強くなれなくて…ごめん。」
「…いいの。そんなことはどうでも。
あなたが…あなただけが本当の私を知ってくれた。
それだけで…私には充分だったのよ。本当に。
だから…消える時には…消えるまでは…あなたの顔が見ていたい。
あなたが私の薬指を斬れないって言うなら、私も一緒にその剣を握るわ。
…もう…私を眠らせて。」
これは…彼女の最期の願いだ。
これ以上、自分の体を乗っ取られたままでいることが…今までずっと大切なものを守る立場でいた彼女にとってどれほど辛いことか…、想像するのは難しくなかった。
俺は華央を腕から解放し、剣を握った。
俺の手の上に自らの右手を重ねる華央。その手は不思議なほどに温かかった。
ぐっと握り直し、華央の指先に剣先を向ける。
そして小さく振り下ろした。
「…いいの。そんなことはどうでも。
あなたが…あなただけが本当の私を知ってくれた。
それだけで…私には充分だったのよ。本当に。
だから…消える時には…消えるまでは…あなたの顔が見ていたい。
あなたが私の薬指を斬れないって言うなら、私も一緒にその剣を握るわ。
…もう…私を眠らせて。」
これは…彼女の最期の願いだ。
これ以上、自分の体を乗っ取られたままでいることが…今までずっと大切なものを守る立場でいた彼女にとってどれほど辛いことか…、想像するのは難しくなかった。
俺は華央を腕から解放し、剣を握った。
俺の手の上に自らの右手を重ねる華央。その手は不思議なほどに温かかった。
ぐっと握り直し、華央の指先に剣先を向ける。
そして小さく振り下ろした。