アクアマリンの秘密
「…少し頭を冷やす。」

「紫紀…。」



心配そうな白斗の声を振り切って、俺はシップの外へと出た。

雪が…しんしんと降り積もる。
止めどなく、静かに。







「雪の記憶だな…
俺とお前の過去は…。」



空を見上げてそう呟いた。

思い出の中にはいつも雪があった。
どんな時も…。








目を閉じれば、浮かんでくるのはやはり華央のことだけだった。
忘れていたはずの涙まで零れてくるなんて…俺らしくない。




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