アクアマリンの秘密
「星来…?」

「紫紀さん、隣に座ってもいいですか?」

「お前…体は大丈夫なのか?
さっき倒れただろう?」

「えっと…もう大丈夫です。多分。
もうちょっと寝ないと魔力は回復しないかもしれないけど…。
今は紫紀さんのことが心配ですから。」


そうストレートに言う星来。
…だめだな、俺は。
顔も声も背丈も全然違うというのに…星来の中に華央と似ている部分を見つける度に苦しくなる。
それにこの子にいらぬ心配をかけている自分にも情けなくなる。



「俺はお前の方が心配だ。」

「…そう言うと思ってました。」

「蒼刃がよくお前を出してくれたな。」

「…『そう言うと思った。』って言ってくれました。
それで、これ。」


そう言うと、星来は羽織っている蒼刃の服をつまんだ。


「無理矢理貸されました。
私もちゃんと着てるのに…。」

「…それでも寒いだろう?」

「蒼刃のがあたしのよりも大きいので、全然寒くないですよ。なんて言ったって2枚重ねですからね。
紫紀さんは寒くないですか?」

「俺は…平気だ。」


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