アクアマリンの秘密

平穏の崩壊

ピチチチチと鳥のさえずりが聞こえてきて、あたしは目を覚ます。
小鳥たちが起こしてくれるのはいつものこと。



またあの夢…

温かい手。

そして…

最初の約束。





「んーっ!今日も天気がいいみたいっ!」


窓を開けると、動物たちが一斉に入ってくる。
窓際の花瓶に入れたデイジーにそっと触れる。


「今日も元気ね。デイジー。」

『ええ、とっても』

「それは良かった。
水を取り換えるわね。」

『ありがとう、星来。』


あたしはにっこりとデイジーに微笑む。


普通の耳に音として聞こえるのはおそらく、あたしの声だけだろう。
表向き、〝デイジー〟は音を発することはない。

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