アクアマリンの秘密
「あ、蒼刃…あたしどのくらい眠ってたの?」

「1週間。…最長記録だ。」

「そんなにっ…?だからこんなに体がだるいのかぁ…。」

「死んだように眠ってたから、桃依とかすげー心配してた。」

「えっ?じゃあ桃依に会いに…っ…。」


不意に目の前がぐらついた。
体に力が入らなくて倒れそうになるあたしを蒼刃が支えてくれる。


「無理すんな。1週間も寝てたやつがいきなり立てるわけねぇだろ?
桃依に会いたいなら俺が呼んでくる。」

「あっ…大丈夫。
ちゃんと立てるようになってからじゃないと…きっと桃依、心配しちゃうから。
ごめんね、蒼刃…。
なんだかいっつも支えてもらってばっかり…。」

「もう慣れた。」

「…ありがと。
あ、あとさ、あたしが寝てる間…誰かずっとそばにいてくれた…?」

「あぁ?」

「起きた時…すごく手が温かかったの。
だからずっと…誰かが握っててくれるような気がしたんだけど…。
みんな忙しいし、有り得ないか。そんなこと…。」

「…。」

「ってごめんね、変なこと言って。
あ…もしかして…もう別の国に…?」

「ああ。」

「ど…こ…?」

「パシフィックブレード。
俺と緑志の故郷だ。」

「蒼刃と緑志の…故郷…。」



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