アクアマリンの秘密
「なんだ?」

「…もうこの国に着いて3日になるのに…どうして…降りないの?」

「…降りてほしいのか?」

「いや…そうじゃないけど…。
でも蒼刃なら真っ先に降りるかと…。」

「…俺もそう思ってた。」

「『思ってた』?」

「ああ。
でも…自分の国に戻ってくるって…こういうことなんだな。
…白斗や紫紀がなんで自分の国に着た途端、あんなに『らしくねぇ』ことばっかすんのか、不思議で不思議でしゃーなかったけど…。
胸騒ぎが…尋常じゃない。
動かないんじゃない。動けなくなる。」



『動かない』んじゃない。『動けない』。
妙に足が竦む。
踏み出してしまったら、もう戻れない。
どんな世界が目の前に広がっていても、それを受け入れることしか出来なくなる。



怖がってんのか…俺…?
それこそらしくねぇ。
全部自分で切り開いてきたはずなのに。



「蒼刃…。」

「…星来が立てるようになったら降りる。
もう紫紀や白斗は調査を始めてんだろ?」

「…ああ。」

「あー…らしくねぇ。なんなんだよ…このもやもやする感じ。」

「…。」



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