アクアマリンの秘密
* * *
【緑志side】


朝食を終えて、俺たちは式服に着替えた。
そして紫紀、白斗、桃依がシップを降りた。


「星来ー!!」

「はーいっ!!」


桃依に呼ばれ、星来もシップを降りる。
残ったのは僕と蒼刃だけ。


「先に降りる?」

「…いや、お前が先に降りてくれ。
なんだか知らねぇが…胸騒ぎが異常だ。」

「…。」


僕は何も言えなくて、シップを降りた。

僕の目の前に広がるのは、5年前…あの日を思い出させる景色だった。
人の気配はもちろんないし、僕たちが住んでいた王宮も崩れている。
王宮は遠目にしか見えないけれどそれで充分だ。近付けば近付くほど…思い出す。

やっぱり…僕の記憶は正常だった。
あの日のあの記憶は…本物だ。

だとしたら蒼刃の記憶は…










「っ…ぐっ…ああああ…!!」



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