アクアマリンの秘密
イアルの横にはセリユが控えていた。
でもセリユに目がいかないほど、イアルの殺気は凄まじかった。
その殺気に、蒼刃が後ずさりしてしまうほどに。



「勇敢なパシフィックブレードの皇子たちよ。
逃げるなら今だぞ?
…とはいえ、お前たちも結局死ぬことになるがな。」

「…何が望みだ?」

「ほぉ…実によい目をしているな。
…そんな目をした人間は嫌いじゃないが…仕方ない。
我が目的のために邪魔なものはすべて排除する。
そして手に入れる。この国の共鳴石を。」

「共鳴石!?」



その後の蒼刃の言葉は聞こえなかった。
蒼刃にはイアルが、そして僕にはセリユが襲いかかってきた。

僕も一応剣は使えた。
蒼刃ほどの戦闘センスは兼ね備えていなかったけれど。
でもそんなことはあの時、全く関係なかった。
そんなことを考える暇さえないほどに必死だった。
生きるために。





「なかなか筋がいいな。
さすがは皇子。
だが…










ここで終わりだ。」

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