アクアマリンの秘密
「…星来の言葉って威力が強すぎるな…僕には。」

「え?」



僕は涙を拭った。



「ありがとう。
星来に…みんなに話して良かった。
今の僕は…一人で抱え込む必要がないって改めてよく分かったよ。
僕はもう大丈夫だから…。
あとは蒼刃のことをお願い。」

「あっ…緑志っ!!」



僕はその声を振り切って自分の部屋に戻った。
泣くなら一人でがいい。さすがに。





これは何の涙なんだろう?

この地に戻ってきて、改めて父上、そして母上の死を見た気がして悲しいからなのか。
蒼刃の記憶が戻ってしまったことが怖いからなのか。
それとも…。



「どっちも違うな…。」



今、こうして涙が出てきたのは安心したからだ。
もう自分一人で抱え込む必要がない。
僕には…仲間がいるから。
もう絶対に失いたくない仲間が…。



「だから蒼刃も大丈夫…。
乗り越えられる。」



僕は一人、そう呟いた。




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