アクアマリンの秘密
「…胸騒ぎの理由はコレだったんだな。
降りたら『思い出す』。」

「そう…だね…。
だから僕は…怖かったんだ。」

「怖い?」

「ああ。
蒼刃がこうなることが目に見えていたから。
それこそ…『壊れて』しまうと思ったから…。」

「…壊れねぇよ。」



壊れはしない。壊れている場合じゃない。
だけど…一旦自分が弱いと分かってしまった俺は…先を不安に思ってしまう。

こんなにも守られている俺が…『誰か』を守るなんて出来るのか?











「緑志…悪い。」

「?」

「少し…一人になりたい。」

「…分かった。」



短くそう答えて、緑志は部屋を後にした。

俺はベッドの上から身動き一つ出来ないでいる。




< 330 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop