アクアマリンの秘密
【緑志side】


「え?あ…星来…。」

「行っちゃったぁ…。」

「ああなるともうダメだね、星来は。」

「ああ。
言い出したらきかないのが俺たちの守るべき姫君だ。」

「でも…星来に任せるしかないのかもしれないな。
兄の僕がこんなことを言うのは人任せで無責任なことだけど…。」

「そんなことないよ。
それに…やっぱり、蒼刃にとって星来の言葉が一番響くから…。」

「…うん。」



星来…無力な兄でごめん…。
でも…頼むよ、星来…。僕にはもうそれしか言えない。

君しか…君の声しか蒼刃にはもう届かない気がするから。

蒼刃には…君の声が一番響くから。



「蒼刃には…星来しかいないよ…。」



僕はそう呟いた。



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