アクアマリンの秘密
* * *


コンコンッ…


あたしは固く閉ざされた扉をノックした。
当然ながら返事はない。


「蒼刃?」


声を出してはみるものの、やっぱり返事はない。



「蒼刃…。あたし…。」

「…帰れ。」



久しぶりに聞いた蒼刃の声は、あまりにも冷たくて、一瞬蒼刃のものかどうかさえ分からなかった。



「蒼刃…。どう…しちゃったの…?
なんでそんな…冷たい声で…。」

「帰れ。頼むから。」


冷たいけど…でも絞り出すような声。
弱弱しくなる語尾。
蒼刃…何を考えて、そんなこと言ってるの?







「お前を傷つけたくない。」

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