アクアマリンの秘密
あたしの背中を…いつもよりも躊躇いがちに抱きしめてくれる蒼刃。
涙が止まりそうもないあたしは、ぎゅっと蒼刃に抱きついた。
その体が…思ってたよりも細くて、急に心配になる。


「…泣くな。」

「だって…っ…蒼刃の…顔…やっと…見れたんだも…っ…。」

「…泣くなってんだろ?
俺は…何も出来ねぇんだから…。」

「え?」


あたしはその言葉に驚いて、ゆっくりと蒼刃から離れた。
そしてその蒼い目を見つめる。


「俺は…守れない。
お前のことも…何もかも。」

「な…に言ってるの…?」

「…事実だ。」

「そんなこと…本気で言ってるの…?」

「ああ。
だから…お前が泣いたりする必要はない。
こんな俺のことを…心配する必要も…。
弱い人間は…仲間としても必要ないだろ?」

「本気で…そんな風に思ってるの?」

「そうだ。本気でそう思ってる…。」



この言葉に、あたしの中の何かが崩れた。
というかむしろ…







「蒼刃のバカっ!!」




キレた、と言った方が正しいかもしれない。


< 339 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop