アクアマリンの秘密
「ならば…最期に消えるしかない。
…俺は死ぬ寸前で時間を止められた、『生』も『死』もない…ただのモノだ。
唯一残されていたのは、月叉としての全ての記憶、たったそれだけ。
それがあったからこそ、俺はこうして自我を保っていられる。」

「…。」


星来は何も言わない。
涙が地面へと落ちていく。


「…もう、俺に『生』など残されてはいない。
…消えるしかないだろう。
消えるならお前の手で…。
それが俺の望みだ。」



それだけ言って、俺の目を見据えるジャニア。
この目はジャニアのものだ。

月叉の目は…星来と同じ…。







「分かった。
なら…俺がお前の望みを叶える。



…共鳴石は…渡してもらう。」



「それでいい。」



俺は剣を今までより強く握った。



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