アクアマリンの秘密
「約束だからな。
なんでも答えよう。」

「…お前は…全て見てたんだよな?
ジャニアではなく…『月叉』として…。」


俺はその答えを待つ。


「…そうだと言えばそうだし、そうじゃないと言えばそうじゃない。」

「どういう意味だ?」

「俺の体がこうして動けるのは…ビシアスだからだ。
共鳴石と、イアルの魔力。
その二つをもってしてしか、俺は動くことなど叶わない。
だから…俺が『月叉』であるのは内面だけだ。だが、その内面は、この肉体がなければ存在しえない。
…ジャニアの体なくして、月叉であることなんて有り得ない。
月叉とジャニアを切り離して考えることなんて出来ないんだよ。」

「……自分がビシアスになると…分かっていたのか?」

「…いや。そんなことは思っていなかった。
だから…こうして再び、星来に…そしてお前たちに会えるとは思っていなかった。
俺はあの時に、『終わった』と感じていたから。」

「…お前の本当の目的はなんだ?」





知りたいのはそこだった。

殺意も全く見せずに、敵でもなく味方でもない中途半端な位置で俺たちを見守ってきた。

でもそれはなんで…?




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