アクアマリンの秘密
「お兄様、ありがとう!!」

「どういたしまして。
さぁ、行くよ。」


俺はその手を引いた。



この時、まだ星来は13歳だった。
大きな魔力…俺を凌ぐほどの魔力を持っているっておじい様から聞かされたけど、まだその魔力は開花していない。
…開花させていないとも言っていた。

『それを開花させてしまうのはまだ早い。』

それがおじい様の口癖だった。





星来を、この城で最も力の集う『王の間』へと連れてきた。



「星来、ここに立って。」

「え?」

「ここに立って、目を閉じるんだ。」

「こう?」

「そう。
そのまま…。」


俺は星来の額に右手の人差し指を当てた。
記憶を消すために。




「そうはさせんぞ、アクアマリンの皇子よ。」


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