アクアマリンの秘密
「目覚めたか。」

「…。」

「…?口がきけないのか?」

「…いや…。」

「我が名はセリユ。
お前の名はジャニアだ。」

「俺の名前が…ジャニア…?」

「…そうだ。
イアル様がお造りになった最初のビシアス。」

「ビシアス…?」

「そうだ。
イアル様の忠実なしもべであり、任務をこなす兵士でもある。」


…つまり雑用係ってことか…。
俺はそう解釈した。

もう月叉はいない。

その代わりに生まれたのがジャニア。

動かぬ心臓を持った己自身。



「明後日からは仕事だ。
今のうちに休んでおけ。」

「…ああ。」



そう言い残してセリユは部屋を出て行った。



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