アクアマリンの秘密
「でもなんで…兄貴のとこに行かねぇんだよ。
俺より優先すべきは兄貴だろ。」

「…。」



俺の質問に口ごもる星来。
そんなに難しい質問をしたつもりはない。



血の繋がった兄貴か、赤の他人である俺か。
記憶が戻ったというなら尚更、兄貴の方が大切に決まってる。
なのにどうして…?




「おい。なんで口ごもるんだよ。」

「…言わなきゃダメ…?」

「え?」



だって口ごもる理由なんて一体どこにある?
それが見えなくて、俺はゆっくり頷いた。

俺の頷きに反応して、星来は覚悟を決めたかのように口を開く。














「蒼刃が…ものすごく心配だったの…。
お兄様よりも…何よりも。」



顔をやや赤く染めてそう言う星来に、俺は何も言えなくなってしまった。



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