アクアマリンの秘密
そう言いながら、今度は星来が俺の頬に手をあてる。



「目を覚ましてくれて…本当に良かった。
生きててくれて…良かった。」



いつもよりも柔らかい声が耳に届く。
触れられた頬が熱い。
そこだけ急に熱を帯びる。
原因はたった一つしかない。



「…ありがとう。蒼刃。
あたしも…みんなも…それと…お兄様を救ってくれて。」






あまりにも真っすぐすぎるその目に見つめられると、俺は息することさえ忘れてしまいそうだった。
その声は曇りなく、ただ真っすぐに俺の耳に響く。








「…結果オーライだっただけだ。
事によっては…お前は俺を恨んでいたかもしれねぇ。」



俺は本音を口にした。

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