アクアマリンの秘密
「え…?」

「たまたま…俺の意志をあいつらが上手く汲み取ってくれたおかげだ。
俺はあの腕を斬り落としただけ。
結局それも白斗に繋いでもらう羽目になったしな。
全てが上手くいかず、華央の様に消え去る可能性も少なからずあった。
むしろ、上手くいったことの方が奇跡だ。」




これは嘘じゃない。
奇跡だ。
あいつの命を繋げたというのなら…。
死の淵にいる人間を…蘇らせようとしたのだから。




「…あいつは大丈夫なのか?」

「え?」

「月叉は生きているのか?」

「…多分…。」

「多分ってお前…会ってないのかよ?」

「だって…蒼刃が倒れたのが悪いんだからね!!
それに白斗さんが任せてって言ってくれたし…多分大丈夫だと思う。
もし…何かあったら…あたしに知らせに来ると思うし。
こうして何も起こらなかったんだから、多分お兄様は大丈夫。」

「…ったく…俺なんて放っておいて、兄貴のところで大人しく看病してればいいんだよ。
お前はあいつにとって唯一の妹なんだから。」

「…だって、蒼刃のことを放っておけなかったんだもん。」



真顔でそう言う星来。
よくもんなセリフ言えるよな…。
俺の気も知らないで…。



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